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お庭 Q&A - 庭木の剪定 編 -
Q1 剪定とは?
A1 剪定とは、樹木の生育や結実を調整したり、樹形を整えたりするため、枝の一部を切り取ることを言います。山や林で自生しているような木々は、手入れが細かく入っているわけではないのに大きく育って花を咲かせていたりします。
では、庭木はどうでしょう?もちろん庭木だって放っておいてもどんどん大きくなって育ってくれるでしょう。しかし、決定的に違うのが生えている場所。山木のように伸び放題になってしまったら、確かに迫力はありますが、育ちすぎるとちょっと不気味ではないでしょうか。採光性も悪くなり、その下に生えている植物は生長しない、病害虫の対策は行き届かない・・・と、あまり良い事はありませんね。
また、庭木同士で栄養を取り合ってしまい、どれもが枯れてしまうことも考えられます。無駄に伸びた枝葉を切る事で、限られた特定の枝葉の生長を促進させるほか、生い茂った葉の風通しを良くして病害虫から植木を守る効果もあります。剪定には植木鋏、剪定鋏、剪定のこぎり、高枝鋏、脚立(あれば便利)が使われます。
Q2 剪定する枝は?
A2 庭木の種類によって整姿や剪定の方法は種々異なりますが、剪定すべき枝については共通しています。美しく健康的な樹形を保つためにも剪定すべき枝の種類を覚えておきましょう。
立ち枝
通常横に広がるべき枝がまっすぐに伸びてしまった枝で樹形に悪影響を及ぼします。
からみ枝
名称の通り、枝同士がからみつくように伸びた枝です。
逆さ枝
幹の方向に向かって伸びた枝です。
平行枝
複数の枝が平行に伸びた枝で、その中から不要な枝を剪定する必要があります。
胴吹き枝
別名「幹吹き」ともいい、樹木の根元部分から伸びた枝です。樹木の上部に栄養が行き届きにくくなるため早めに剪定するべき枝です。
ヤゴ(ひこばえ)
樹木の根元から出てくる細い枝で、景観を損ねると同時に栄養が樹木上部に行き届かなくなります。
懐(ふところ)枝
樹幹付近(基部)から伸びた枝のことで害虫の温床となることもあり、付け根から剪定する必要があります。
交差枝
他の枝と交差している枝。樹形を考慮して不要な枝のみを付け根から剪定します。
徒長枝(とちょうし)
樹木の幹や枝から飛び出るように縦(真上)に伸びた細い枝のこと。風雨により折れて落下する危険性や害虫の温床となる可能性もあります。
かんぬき枝
主幹を貫くように左右対称に伸びた枝で、短く切るかどちらかを切るなどして樹形を整えます。
下がり枝
垂れ枝ともいい、横に伸びた枝から下方に向かって伸びた小枝のこと。
剪定による樹形
人工樹形
人工樹形は樹木の自然の状態と性質を十分知った上で手を加え、さらに洗練して作られたものです。それぞれ樹木に合った形が有り、その性質を無視しては形は作れません。日本では自然の状態に近い形が多く、西洋では彫刻的な幾何学模様や動物の形をしたトピアリーも盛んです。
Q2 剪定時期は?
A2 それでは一体いつ剪定をすれば良いのでしょうか。剪定時期は樹木(植物)によって異なります。一般的に花の咲く(実のなる)常緑樹などは春から初夏にかけて(3〜5月頃)、落葉樹なら葉の落ちた後である冬期(11〜3月頃)に剪定すると良いでしょう。ただし樹木の種類によって剪定時期はさまざまなので、いつ花を咲かせたいか、通風状態はどうなのか、などを考慮する必要があります。
夏季剪定
成長しすぎた枝葉を剪定して樹姿の形状を整えます。通気、日照をよくするだけでなく、台風で枝が折れた!なんていう被害を避ける役割も果たします。
冬季剪定
春に備えて所定の形姿に切り詰める骨格剪定や、不要な枝を切除します。
刈込み剪定
樹冠全体を均一に刈り、生垣などの角形、玉物などの球形に整枝します。庭園などで、良く見られると思います。
また、松の剪定は特殊で、新芽の「みどり」を元から摘み取って枝数を少なくしたり、途中から折り取って伸長を調整する「みどり摘み」をおこないます。また今年の葉を残し、その下部の古葉を取り除く「もみあげ」も行います。
アジサイ
花後すぐに、花の下に葉を2〜3枚つけた位置で剪定します。秋以降に剪定すると花がつきません。
ウメ
花後すぐに、枝の芽を2〜3芽残して外芽の上で剪定します。
カイドウ
花後の剪定。休眠期には花芽を確認しながら長く伸びた枝を枝元4〜5芽残して切り戻します。
キンモクセイ
剪定は花後から春先まで可能夏の剪定は、枝枯れしやすくなるので避けます。
コデマリ
花が咲き終わったら、枝の分かれ目の部分で切ります。
サクラ
強剪定は樹勢を弱らせることがあるので、できるだけ枝が細いうちに不要枝を見極めて剪定。
サザンカ
花後すぐから春までに剪定。また、刈り込んで仕立てる場合は、3月下旬〜4月上旬に行いましょう。
サルスベリ
地域によっては冬の剪定で枯れこむこともあるので、剪定時期は萌芽前(3月頃)に行うと安全でしょう。剪定は、前年伸びた枝を付け根ぐらいまで切り戻します。
ツツジ
7月には花芽が分化するので、花が終わったらすぐに刈り込んで形を整えます。
ハギ
放任すると茂りすぎるので、冬の休眠期に低く刈り込みます。
ハナミズキ
剪定は休眠期。花芽がついていない徒長枝や細い枝を取り除きます。
フジ
強剪定は休眠期に、枝元の花芽を確認しながら切り詰めます。
モクレン
剪定は花後と休眠期に、枯れ枝や気になる徒長枝を取り除く程度で樹形が整います。切り取る際は、枝の付け根から切りましょう。
ユキヤナギ
花後すぐに伸びすぎた枝を切り戻す。
ライラック
剪定は花後に行います。枝数が少ない木なので、不要な枝を取り除く程度にしておきます。
レンギョウ
花後に混んだ枝や伸びすぎた枝を付け根から取り除く程度の剪定にします。秋以降の剪定はその分花芽を失いますから、樹形を崩すほど伸びすぎた枝だけを切るようにしましょう。