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2015年1月 東京都世田谷区 D様邸 樹木移植工事

施工ポイント

  閑静な住宅街に大きく佇むD様邸。お庭全体を建物南側へ大きく構え、豊かな土壌と陽当たりで過ごした木々は大きく伸びやかに成長しています。

 今回は元々の駐車スペースを移動し古くなった大谷石擁壁を新たな土留めブロックフェンスへ変更。
 その後、植栽に適した良質土を充填しながら植栽地を拡大。大きく成長した樹木を敷地内で移植し、1本1本がより伸び伸びと成長できるように配置を変更させていただきました。

 本来、樹木の移植工事は動かした先で生かすという意味からその対象木の適正時期に行うことが大きな原則となります。
 今回は、建築に伴う移植工事という内容でいつもお世話になっています東大和市建築会社様より御依頼をいたただきました。

 この季節は外気温も地温も低く、とても適正時期とは離れています。
 落葉樹木で休眠期に入っている樹木の疲労は意外と少ないのですが元々、土が健全で良い環境で育っている樹木の根は地中に長く伸びています。

 予めの作業がなされていない樹木の根の多くは暴れて(伸長して)います。木自体を支える支持根(太くてしっかりした根)以外の細根(地中の養分を吸収する根)は、成るべく樹木近くで成長していて欲しい という思いで根を確認していきます。

 地中内部を確認したところ、多くの樹木が古い植桝(石材や木材などで覆われた植栽地)などに囲まれており、細根が幹根周辺に多く見られました。
 また植付時に地温を高める為の炭殻を良質土壌内へ混合撹拌いたしました。

 今回の作業は幸いにして同じ敷地内移動ということで車両公道運搬はありませんでしたが、移植には根の大きさや重さ、幹や枝葉の大きさなど、様々な制限の中で最善な策を尽くして活着(樹木を生かす)させなければ成りません。

 本来ですと、事前に根廻し(樹木を移動し易いよう根を作っておく)という作業や樹勢コントロール(樹木を元気にしておくこと)を対象樹木に施しておくことで、その後の活着生存率に格段の違いが生じます。

 いつも何気なく見ている大きな木。生前からそこに佇む木。健全で大きな樹木からは大きな生命力を感じます。
 木々や植物によっては美しい花を咲かせるものもあります。1年のうちでほんの僅かな期間ですが私たちの心を和ませてくれます。
 また樹木にとっては花の季節以外の日々の生育過程がとても大切です。気温や環境に変化が生じても自ら動くことはできません。
 木を想い、みどりを大切にしていくことで、自然からの安らぎや恩恵を日々感じられることとおもいます。

施工内容

 ・高中木移植工 (落葉樹・・・白梅、富裕柿、百日紅、花カイドウ、常緑樹・・・金木犀、乙女椿、山茶花、柚子、温州蜜柑、槇、など)
     ・高木軽剪定工(常緑樹・・・椎)
     ・低木地被類植栽工(皐月ツツジ、大紫ツツジ、寒椿、千万両、ハランなど)
     ・幹巻、土壌改良施工
     ・丸太支柱設置(1本添支柱)
     ・整地整正、水極、灌水工 など