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お庭 Q&A - 樹木の病害虫駆除 編 -

Q1 病害虫駆除とは?

A1 サクラは剪定に対してはデリケートな樹木です。適切にしなければ、傷口が腐ったり、枝枯れを起こして寿命を縮めてしまいます。
 少し専門的になりますが、樹木には枝の付け根に微生物の侵入を防ぐブランチカラーがあります。この防御帯は枝が折れたり、傷付いた時に威力を発揮します。サクラは特に傷口が腐りやすいため、防御帯の近くを剪定するのが肝要です。
防御帯は絶対傷つけてはいけません。
大きい枝の切断は 下部に引き目を入れておいてからその手前上部よりノコを入れて枝先を除去し、切り落とします。くれぐれもブランチカラーを傷つけたり、枝の先端を残さないよう注意してください。傷口には殺菌剤を塗布します。
剪定の時期は、6月から7月中旬が最も適しています。サクラは秋の終わりまでに、養分を芽と花の周辺に蓄え、冬は休眠。春になって、貯蔵養分を使って花を咲かせ、新芽も生長させます。休眠中の剪定は、春に傷口の修復のための余分なエネルギーを消費させ、樹体が衰弱します。7月中旬以降は来年の花芽の分化が始まります。その前に剪定すると刺激になり花の量も多くなるようです。

様々な樹木に寄生するカイガラムシは、サザンカ、モチノキ、サンゴジュ、マサキ、サクラ、サルスベリなど近年、多くの木に発生します。
放置しておくと、木が衰弱し、枯れることもあります。冬場は木が休眠しているので、濃い殺虫剤が利用できます。今使える薬は、害虫の上に被膜を作って窒息させるマシン油乳剤か、強いアルカリ性で表面のロウ物質を腐食して作用する石灰硫黄合剤があります。
両剤とも、他の虫にもよく利きますし、石灰硫黄合剤は病気にもよく利きますので、別表の濃度に薄めて使ってください。
ただ、マシン油乳剤は池のそばでは充分な養生を施した後に使用致します。

石灰硫黄合剤は衣服を傷めますので、洗濯物は取り込み、作業服はよく洗ってください。
このほか、根から吸わせて効き目のある粒剤もありますが、劇薬ですので専門業者と相談してください。
主に6月中旬から7月上旬にかけて卵から幼虫が出ます。幼虫は、他の殺虫剤でも駆除できます。
竹のへらなどで削り落とす方法もあります。今のうちにカイガラムシだけでなく、ミノムシなどや、卵の付いた葉は取り除いて庭木を保護してください。

殺虫剤などの所定希釈倍率

マシン油乳剤
常緑樹 40〜50倍液
落葉樹 20〜30倍液

石灰硫黄合剤
常緑樹 30〜40倍液
落葉樹 8〜15倍液

すす病は糸状菌の仲間によっておきる病気で、全体が黒く覆われてしまう病状を総称して言います。すす病の原因となる糸状菌には腐生菌と寄生菌があります。
すす病の多くは腐生菌によって起こりますので、腐生菌によるものと思われます。

庭木などにはアブラムシやカイガラムシが寄生しているはずで、それらの排せつ物に糸状菌が繁殖して黒くなるのです。また、その排せつ物を求めてアリが登っているのです。
アリとアブラムシの共生は理科でも教えていますが、アリはアブラムシの排せつ物をもらう代わりにアブラムシを外敵から守る役割をしているのです。
まずアブラムシやカイガラムシを退治しましょう。それがアリを登らせないことにもなりますし、すす病を防ぐことにもなります。
防除はカイガラムシの場合、冬期にマシン油乳剤か、6〜7月の幼虫期にスプラサイド乳剤を散布します。アブラムシにはエカチン乳剤がよく効きます。場合によれば根元にエカチンTD粒剤を、こやしをやる要領で埋めてやるのも効果があります。
すす病を直接防除するには、殺菌剤のダイセン水和剤かトップジンM水和剤の散布が効果があります。
肥料は適当に施し、窒素肥料をやりすぎないよう注意してください。

被害を受けた葉は取りあえず剪定してとり除き、風通しと日当たりを良くしてみてください。

ヒイラギモクセイやイボタの木などには、テントウムシなどが見受けられます。
種類によって食べ物が異なりますが、木に害をするアブラムシ、カイガラムシ、ハダニなどを好んで食べる益虫です。
植物害虫の天敵として大きな効果を上げています。ただマダラテントウムシ科とテントウダマシ科の仲間は植物の葉肉を食害し、なかには大被害を与えるものもいます。

これを総称してテントウムシダマシともいいます。ヒイラギモクセイの主な害虫には、イボタロウムシ、ミカンハダニ、ヒイラギハマキワタムシ、ミカンコナジラミなどがいます。テントウノミハムシは、春先になると木の足もとの枯れ葉の中で越冬した成虫が木に登り、食害が始まります。5月末には葉の裏に産卵。ふ化した幼虫は、6月には葉のなかに潜って葉肉を盛んに食べます。被害を受けている葉は、茶褐色になります。
やがて幼虫は地中に潜ってさなぎになります。ふ化した成虫は秋までは葉を食べて生活し、冬になると落ち葉のなかで越冬します。
成虫の体長は3〜4ミリ程度で通常は黒い羽に赤い紋が2つありますが、なかには黒褐色の羽に黒い紋があるものもいます。幼虫は5ミリ程度のへん平で乳白色をしています。
駆除には、落ち葉をよく清掃しておくことと、幼虫や成虫を見つけたらふるい落として捕殺するか、そのままつぶします。
薬剤はスミチオン1000倍液などが効果的です。

樹木の幹などに小さな穴があり、根元に細かいおがくずのようなものが落ちている。
このようなケースでは特にゴマダラカミキリからの被害が多く、幼虫はテッポウムシと呼ばれ木の幹に食入して、孔道をトンネルのように作ります。

幼虫の期間が長く、テッポウムシの状態で3年以上のこともあります。5月から9月にかけて発生し、枝や幹をかじって害を与えます。7月中旬から、地上50〜60センチ以内の幹に産卵します。
対策としては、穴があいているところすべてにスミチオン乳剤などの有機リン剤を、50〜100倍程度にして、注射器かスポイトのようなもので注入します。

またスプレー式の殺虫剤(アリアトールなど)を噴射し、木くずや虫ふんを取り除いてぺ一スト状の殺虫剤(トップジンMぺ一ストなど)を注入して穴口を、接ぎロウ・ガムなどでふさぎます。
その後も同じ症状が出ましたら上記のことを繰り返してください。
予防としては、地上60センチくらいまでサッチュウコートかスミバークEなどを塗ってやったり、スミチオン乳剤の1000倍液を多発期に数回散布します。平素から樹幹を観察し、根元の木くずや虫ふんに注意してください。

枯れた被害枝は剪定後に処分をします。
放置すると卵で越冬し、翌春、ふ化してほかの枝に飛来してしまいます。
またカミキリムシは弱った木に特によくつきますので、普段から灌水や施肥などで健全な管理を怠らないでください。